発想を変えて、驚きの美味さのコーヒー本。「コーノ式かなざわ珈琲」金澤政幸

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「コーノ式」ってコーヒー好き一般人はペーパードリップ器具の名前と認識していて、同時にそれを使った時の淹れる方法のことも「コーノ式」って呼んだりします。「コーノ式」は、独特の抽出作法があるのです 

 

 ゆえに、コーヒー好き一般人にとってこの本の題名は不思議なネーミングなわけです。

 

「コーノ式かなざわ珈琲」ってなんだろう?ってなるわけです。

 

 著者の金澤政幸さんは プロフィールによると1964生まれ。「かなざわ珈琲」店主となっています。

 

 「コーノ式かなざわ珈琲」の説明は著者が最初の方に書いています。

 

 1 コーヒーは、1杯分より2杯分

 2 珈琲液を三分の一だけ抽出する

 3 挿し湯で飲む

 

 最初はよくわかりませんが、本を一通り読んでこの箇条書きを読むと、そうだ、難しいことは言っていない、この3つのことだ。そのように理解できるのです。

 

 序盤、「コーノ式かなざわ珈琲」に必要な道具が記されます。コーノ式コーヒードリッパー、メジャーカップなどです。

 コーノ式コーヒードリッパーとは、円すい型のペーパーを使うドリッパーです。円すい型のペーパーを使うドリッパーでは、HARIOのV60の方がはるかにメジャーですが歴史はこちらの方が古いです。抽出されるコーヒーの味も違います。

 

 中盤、ここが本論でカラー写真のページとともに説明付きで抽出方法が描写されます。コーノ式コーヒードリッパーを使っているが、抽出方法がコーノ式ではありません。

 コーノ式の抽出方法は、基本的にポタポタと点滴のようにお湯をコーヒーの粉に垂らし続け、いわゆる「蒸らし」は行いません。お湯を点滴のように垂らすと同時に蒸らしていくのです。で、最後の方にだけお湯を落とすのです。

 著者の金澤さんは、コーノ式コーヒードリッパーを使いつつも、「蒸らし」を行います。正統派のコーノ式のやり方ではありません。

「蒸らし」を行った後、お湯を点滴のように垂らし、最後の方に円を描くようにお湯を落としていきます。

 

 ここからが面白いのですが、珈琲を三分の一だけ抽出して抽出作業を終えるのです。例えば180mlの珈琲を抽出できる量の豆から、60mlしか抽出しない。そこで止めてしまうのです。

 それで、三分の一の珈琲に三分の二の挿し湯をして、「コーノ式かなざわ珈琲」は完成となります。

 

 えっ、なにそれ、と思われた方がほとんどだと思います。薄味コーヒーになるだけだ、と思われた方ごもっともです。美味しいわけないと思われた方、私もそう思っていました。

 

 でも、実際やってみると美味いのです。

 

 著者はメジャーカップを使って最初の三分の一、中頃の三分の一、最後の三分の一の味を比較して味の評価をします。そして、最初の三分の一に旨味成分が濃縮されていると結論を出します。残り三分の二はあまり美味しくはないと評価します。

 

 美味しい三分の一に挿し湯をすれば美味しいコーヒーになるというわけです。

 

 実際この方法で抽出してみることで理解できることがあって、「蒸らし」をしないコーノ式コーヒードリッパーで「蒸らし」をやると、濃いコーヒーが抽出できるのです。で、その濃い抽出液に挿し湯をしても薄くなった感じは全然なく、味も雑味がなくて透明感を増した感じになります。

 

 発想を変えてみると、この方法は理にかなっています。しかも美味しいのです。

 

 著者は、正統派コーノ式への感謝、謝辞を忘れません。正統派コーノ式の抽出方法も後半にのせています。コーノ式ドリッパーはべた褒めです。確かにコーノ式はコーノ式で美味いのです。しかし著者は、発想の転換によって同じ道具から新たな美味しさを生み出したのです。

 

 

 

  紹介した本はこちらです。

コーノ式かなざわ珈琲 美味しいコーヒーの約束

コーノ式かなざわ珈琲 美味しいコーヒーの約束

 

 

  新版なのか増補版なのかわかりませんが、こちらもあります。私は未読です。

コーノ式かなざわ珈琲~美味しいコーヒーの淹れ方~

コーノ式かなざわ珈琲~美味しいコーヒーの淹れ方~