猫が出てくるけど、猫猫している漫画ではないです。「女いっぴき猫ふたり」第1巻 伊藤理佐 kindle版

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 タイトルが何気なく面白いです。「女いっぴき猫ふたり」女いっぴきが良いですね。

 

 男一匹!という表現はよくあるのですが、女一匹!はあまりないですし。その後に「猫ふたり」と続くのも面白いものです。猫二人!と、人と猫を逆にしてタイトルに しているがのが、まあまあ普通だけどツボにくる感じです。

 

 内容はといえば、エッセイギャグ漫画です。冒頭に作者が書いています。「これは、マンガ家(35)と、ねこ(9)、ねこ(9)の、ちいさーい生活の日記みたいなものです・・・」と。

 作者の伊藤理佐さんは日々の生活を切り取って、面白い作品にするのが上手な作家さんです。画風もシンプルで味があります。

 

 漫画では最初の方で、作者に甥が生まれます。それによって実家の父母の愛というか目線というか、が甥に集中し、まるで作者の居場所がなくなってしまったような心のうちを自虐的に描きます。

 

 そこから本編、猫達とのちいさい生活の話が始まるのです。

 

 猫が出てくる漫画ですが、猫はそんなに可愛くは描かれません。同居人といった感じか、もしくは家をシェアしてる仲間、そんな感じに描かれます。意図的にではあると思うのですが、目つきが悪く描かれていてそこも面白いんですよ。何を考えているのか、決して通じ合えないような雰囲気が出ていてクスッとなります。

 

 作者の浪費グセ以外は地味な日常が描かれていくのですが、その日常の切り取り方が抜群にうまい作者ですから、猫の習性、猫の喧嘩、猫の行動などが面白ネタになっていくのです。きっちり笑いを取るのです。

 

 もっとも、猫ばかりではありません。作者のちいさい生活の方が量としては多いかもしれません。ダスキンの人や、近所の人、父母や、姉妹との交流も描かれますし、それをネタにして笑いを取りながら関係性も描かれます。

 

 そして、作者自身を笑いに変えていく手法が面白いです。自虐的といえばそうなのですが、自分自身を「笑う」「笑いに変える」手法。その手法を作者、伊藤理佐さんはこの段階もしくは前の段階で確立していることがわかる漫画になっています。

 

  手法を確立した漫画家さん、特にエッセイ系の漫画を描く漫画家さんは高打率というか、ハズレがあまりないような気がします。「女いっぴき猫ふたり」もハズレではありません。次のページをめくると笑いが約束されているような、そんな感想を持ちました。

 

女いっぴき猫ふたり : 1 (アクションコミックス)

女いっぴき猫ふたり : 1 (アクションコミックス)

 

 

伊藤理佐さんが、のちに描く「おかあさんの扉」の記事です。

 

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